商品コード: RLB100164

生産現場・開発現場において役立つ 薄膜作製技術

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出版図書 > 半導体

■体裁:A4版 323頁
■発刊:2006/11/30
■ISBNコード:4-89808-078-2

【執筆者】 
草野 英二 金沢工業大学/中野 武雄 成蹊大学/
田中 秀和 大阪大学/稲吉さかえ アルバック/
高橋 直樹 アルバック/大工原茂樹 シンクロン/
小松 孝 アルバック/石井 敏夫 日立ツール/
関口 敦 キヤノンアネルバ/松本 功 大陽日酸/
瀬戸 弘之 村田製作所/吉野 幸夫 村田製作所/
牛見 義光 村田製作所/山田 一 村田製作所/
中川原 修 村田製作所/三沢 俊司 アルバック/
菊地 直人 産業技術総合研究所/平塚 傑工 ナノテック/
池ヶ谷明彦 住友電気工業/大石 政治 タイゴールド/
大谷 寿幸 東洋紡績/尾山 卓司 旭硝子/
佐々木貴英 アルバック成膜/恒川 孝二 キヤノンアネルバ/
西垣 寿 芝浦メカトロニクス/赤松 泰彦 アルバック/
中村 昇 キヤノンアネルバ/平賀 靖英 トッキ/
浅井 孝祐 ルネサステクノロジ/金岡 竜範 ルネサステクノロジ/
松浦 正純 ルネサステクノロジ/前川 和義 ルネサステクノロジ/
増田 淳 産業技術総合研究所

※所属、肩書き等は本書発刊当時のものです。

【序文】
薄膜作製技術は、 現代の産業を支える基盤技術である。わが国産業の中心である自動車、 高機能家電製品およびコンピュータ分野においては直接的に、 そして急激な発展を見せている情報産業の分野においてはハードウェアを形成するデバイスとして間接的に産業を支えている。もちろんわれわれの日常生活も今や薄膜を用いるデバイスが無くては成り立たない。
薄膜とはおおよそ厚さが1μm程度以下の、 薄い膜のことを言う。基材あるいは基板の上に形成されることが多い。自立膜と言われ、 基材や基板がなく薄膜自身でその形を保持しているものもあるが実用されているものは多くはない。μm以下のサイズの材料でも粒状のものはナノパーティクル、 筒状のものはナノチューブなどと言われる。薄膜を加工して電極などを形成することも多い。形成された電極や微細構造は形状としては薄膜とは言い難いが、 加工の過程においてはいったん薄膜を堆積し、 これをもとに微細構造を形成している。電子デバイスや微小機械電気デバイスの微細構造のほとんどが、何らかの形で薄膜加工プロセスを経て形成されている。
薄膜を作製するためには、 原子オーダでの膜厚や構造の制御のため真空やプラズマを使うことが多い。真空やプラズマを使う薄膜作製装置は一般にはコストのかかるものであり、 薄膜を使うデバイスにはそのコストに見合うだけの価値が要求される。もちろん大量生産によりコストダウンはなされるが、 薄膜作製にコストがかかることは否めない。
では、 なぜコストのかかる薄膜がデバイスに用いられるのであろうか。薄膜が多用されるにはさまざまな理由がある。
(1)LSIのように微細な構造を作製し、 素子密度を大きくするため
(2)薄膜に固有の物性を利用するため
(3)基材や基板のバルク材料としての物性あるいは加工性などを保ちながら、 表面物性を修飾するためなどが挙げられる。
(1)の理由は明確である。微細な構造を形成するためにはより薄い膜を形成し、 これを加工する必要がある。膜厚が薄ければ薄いほど微細なデバイスの形成が可能となる。薄膜作製技術や薄膜物性制御技術のみならず、 フォトリソグラフィあるいは微細エッチング技術などの向上により演算素子や記憶素子の高密度化が達成され、 同時にトランジスタやメモリ1つ1つの素子のコストが小さくなった。演算素子やメモリデバイスの高密度化は、 まさに現代のデジタル社会を支えている。
(2)の応用においては、まず光学薄膜が挙げられる。光学薄膜はよく知られているように、 その物理膜厚が数十nm程度の厚さにおいて高屈折率および低屈折率材料を組み合わせることによって特性を発現する。磁気ディスクに使われる磁性膜は、 厚膜であっても磁石としての特性は示すが、 データ記録の高密度化・高速化は磁気記録層の膜厚がnmオーダであるからこそ可能なものである。磁気ヘッドなどに使われるトンネル磁気抵抗効果なども膜厚が数原子層のオーダまで薄くなってはじめて現れる物性である。
(3)の理由により使われているもので最もわかりやすいものが、 TiNなどの装飾コーティングである。加工性に優れる基材を使いながら基材にない装飾性を薄膜材料により発現している。ダイアモンドライクカーボンやTiCなどのハードコーティングも、 例えばドリルやエンドミルなどのバルク材料の形状や特性を保ちながら、 表面の耐摩耗性などを向上させようとするものである。フラットパネルディスプレイを支える透明導電膜も、 基材であるガラスを可視光に対して透明な構造材として用いながら導電性を持たせているという意味ではこの範疇に入る。
薄膜作製技術は、 本来物理、 化学、 あるいは材料科学などの学問分野における基礎の理解の上に立つものであるが、 しばしば産業技術としてのニーズが先行し、 これらの基礎の理解を超えた領域において応用されたりする。
本書では、 薄膜作製技術をできるだけ物理あるいは化学の知識に基づいて捉えると同時に、 現場で役に立つ指針となる基盤技術を解説することを主眼として編集された。先にも述べたように真空あるいはプラズマを用いる薄膜作製技術は、 装置に対する依存性が大きな生産技術である。したがって、 個々の装置で起きているトラブルや個々の装置設計における問題をすべて解決できる指針を与えることは難しい。しかしながら、 もちろん薄膜作製技術の基盤は物理および化学であり、 それらに基づいた系統的な考察が個々の現場でのトラブルの解決に役立つと信ずる。本書が、 薄膜の生産あるいは開発の現場において役立てば幸いである。

【目次】 
第1章 基礎技術

第1節 真空と圧力
1. 真空とは
2. 圧力とは   
3. 気体分子密度
4. 気体分子の速さ
5. 平均自由行程
6. 気体分子束の大きさ
7. 粘性流と分子流
8. コンダクタンス

第2節 表面
1. 表面の構造
2. 表面の動的過程
3. 真空と表面
4. 基板材料の表面とその洗浄・清浄化技術
4.1 ガラス基板
4.2 セラミック基板
4.3 プラスチック基板
4.4 半導体基板

第3節 プラズマ
1. プラズマとは
2. 直流グロー放電
3. プラズマパラメータ
4. デバイ長とプラズマシース
5. 原子・分子の電離・励起・解離
6. プラズマ診断
7. マグネトロン放電
8. 高周波放電・マイクロ波放電

第4節 薄膜成長
1. はじめに
2. 薄膜結晶成長
3. エピタキシャル成長と成長様式
3.1 Volmer-Weber型成長様式
3.2 Frank-van der Merwe型成長様式
3.3 Stranski-Krastanov型成長様式/成長様式を決める因子]
4. 多元系物質の薄膜成長-熱平衡
5. 薄膜結晶成長のモニタリングと人工結晶

第5節 真空装置
1. 真空装置
1.1 真空装置とは
2. 真空ポンプおよび排気システム
2.1 油回転ポンプ
2.2 ドライポンプ
2.3 メカニカルブースターポンプ
2.4 油拡散ポンプ
2.5 ターボ分子ポンプ
2.6 クライオポンプおよびクライオトラップ
2.7 排気システム
2.8 真空排気時の注意

2. 真空計測
1. 全圧計
1.1 全圧真空計の種類
1.2 各種真空計の測定原理
2. 分圧真空計
2.1 分圧真空計としての質量分析計
2.2分圧測定の例

3. 真空材料・真空部品
1. 真空材料・真空部品とは
2. 金属材料
2.1 ステンレス鋼
2.2 アルミニウム, アルミニウム合金
3. 非金属材料
3.1 ガラス, セラミック
3.2 エラストマー
3.3 プラスティック
4. 真空グリース
5. 真空部品
5.1 フランジ, 継手
5.2 真空シール
5.3 バルブ
5.4 フィードスルー

第2章 基盤技術・薄膜作製技術

第1節 薄膜作製技術総論

第2節 真空蒸着
1. 真空蒸着とは
2. 蒸発源の種類
2.1 抵抗加熱
2.2 電子銃
2.3 高周波誘導加熱
2.4 レーザ加熱
3. 蒸発物質と蒸気圧
4. 蒸発源からの放射分布と膜厚分布
4.1 点蒸発源
4.2 微小平面蒸発源
4.3 平面蒸発源
4.4 円柱状蒸発源
4.5 環状蒸発源
5. 真空蒸着装置
5.1 真空排気系
5.2 膜厚計
5.3 基板ホルダ
5.4 膜厚分布補正機構
5.5 基板加熱
5.6 ボンバード機構
5.7 ガス導入機構
5.8 システムの制御機構
6. イオンビームアシスト蒸着
7. イオンプレーティング

第3節 スパッタリング
1. スパッタリングとは
2. スパッタリング過程
2.1 ターゲットに入射させる高速原子の生成法
2.2 高速原子のターゲット衝突からターゲット原子放出まで(狭義のスパッタリン
グ)
2.3 放出原子の基板到達と基板上での堆積
3. 各種スパッタリング方式
3.1 グロー放電プラズマによるスパッタリング
3.2 電子サイクロトロン共鳴放電プラズマによるスパッタリング
3.3 イオンビームスパッタリング
4. スパッタリング装置の型式
4.1 基板の動きから見た装置構成
4.2 基板の搬送姿勢
4.3 スパッタ室真空保持
4.4 成膜方向
4.5 成膜時の基板の動き

第4節 化学気相成長法
1. 化学気相成長法の概要

2. 熱化学気相成長の原理
1. 熱CVDの原理
2. 熱CVD装置と成膜の実際
3. 薄膜の組織と物性

3. プラズマ誘起化学気相成長法
1. プラズマ誘起CVDとは
2. PECVDの特徴
2.1 PECVDの利点と熱CVDとの違い
2.2 熱CVDとPECVDの反応経路の違い
3. PECVDの反応過程
3.1 PECVDのエネルギ移動と反応
3.2 磁場の効果
3.3 ポテンシャル曲線(曲面)と活性種
3.4 PECVDにおける励起と反応]
4. PECVD法の分類
5. PECVD装置と構造
5.1 直流放電型および交流放電型
5.2 高周波誘導結合型
5.3 高周波容量結合型
5.4 マイクロ波放電型
6. 容量結合型放電と誘導結合型放電
7. まとめ

4. 有機金属化学気相成長法
1. はじめに
2. 原料とその物性
3. 成長機構
4. 装置
5. 成長の実際

5. 化学気相成長法により作製される薄膜の特徴
1. CVD法と薄膜の特徴
2. 下地の結晶性を生かした欠陥の少ない結晶成長
3. 欠陥の少ないアモルファス膜
4. オートドーピングが可能
5. 準安定状態の膜の成膜
6. 微細な凹凸やオーバーハング形状へのカバレッジ良い成膜
7. 下地に依存した成膜
8. まとめ

第5節 その他の薄膜作製技術
1. レーザアブレーション
2. アーク蒸着
2.1 アーク蒸着の概要と特徴
2.2 アークPVD法の原理
2.3 アークPVD法による薄膜作成例
3. 分子線エピタキシ
3.1 MBE成長法の概要
3.2 MBE装置
3.3 MBE成長の主な適用例
4. 原子層成長法
4.1 原子層成長法の概要
4.2 ALD装置
4.3 ALD法の適用例]

第3章 基盤技術・評価技術

第1節 総論

第2節 膜厚測定
1. 膜厚測定方法の概要
2. 段差測定
2.1 触針法
2.2 原子間力顕微鏡
3. 非接触測定
3.1 干渉色法
3.2 蛍光X線法
3.3 X線反射率法

第3節 膜構造解析
1. 膜構造解析方法の概要
2. 走査型電子顕微鏡
2.1 二次電子像
2.2 反射電子像
2.3 観察例
3.透過型電子顕微鏡
3.1 観察例
4.プローブ顕微鏡
4.1 観察例

第4節 結晶性
1. 結晶構造の解析方法の概要
2. X線回折法
2.1 θ-2θスキャン法およびロッキングカーブ(θスキャン法)
2.2 極点図およびΦスキャン
3. 反射高速電子線回折
4. 透過型電子顕微鏡
5. ラマン分光法

第5節 組成
1. 組成分析方法の概要
1.1組成分析概要
1.2 薄膜組成分析
2.電子線マイクロアナライザ
2.1 原理
2.2 装置
2.3 応用
2.4蛍光X線分析法
3. 光電子分光法
3.1 原理
3.2 装置
3.3応用
4. オージェ電子分光法
4.1 原理
4.2 装置
4.3 応用
5. 二次イオン質量分析法
5.1 原理
5.2 装置
5.3 応用

第6節 電気的特性
1. 電気測定の基礎
1.1 電気伝導
1.2 ホール効果
1.3 誘電率
2. 電気測定の実際
2.1 抵抗率測定
2.2 移動度とキャリア密度測定
2.3 誘電率測定

第7節 機械的特性
1. はじめに
2. 硬さとヤング率
2.1 用語の定義
2.2 試験機・試験方法
2.3 分析評価
3. 応力
3.1 用語の定義
3.2 試験機・試験方法
3.3 分析評価
4. 付着力
4.1 用語の定義
4.2 試験機・試験方法
4.3 分析評価
5. 摩擦摩耗
5.1 用語の定義
5.2 試験機・試験方法
5.3 分析評価
6. 薄膜の機械的特性評価
7. おわりに

第8節 光学的特性
1. 分光光度計による測定
1.1 原理
1.2 測定の方法
1.3 シミュレーションソフトウェアを用いた算出例
2. 光学式膜厚計による測定
2.1 原理
2.2 測定の方法
3. 分光エリプソメトリ
3.1 原理 3.2測定の方法

第4章 応用技術

第1節 切削工具材料の技術動向
1. 切削工具材料の技術動向
2. コーティング膜への要求特性
3. コーティング超硬におけるコーティング方法と用途
4.PVDコーティング技術へのニーズと開発の経過
4.1 PVDコーティング膜材種の開発
4.2 PVDコーティングプロセスの開発
4.3 残留応力の制御
4.4 生産性の向上
第2節 装飾用コーティング
1. 概要
2. コーティング技術とポイント
2.1 イオンプレーティング法によるコーティング技術
2.2 スパッタ法によるコーティング技術
2.3 イオンプレーティング法やスパッタ法で被膜形成後, 電解で発色させる技術
2.4 蒸着重合によるコーティング被膜
3. まとめ
第3節 包装用分野
1. ガスバリアフィルム
1.1 アルミニウム蒸着フィルム
1.2 透明蒸着フィルム
2. ボトル用バリアフィルム
3. まとめ
第4節 光学膜
1. 光学部品への薄膜
1. 反射防止膜
2. 反射増加膜
3. フィルタ
3.1 エッジフィルタ
3.2 帯域フィルタ
3.3 ビームスプリッタ
3.4 ルゲートフィルタ

2. 建築用エネルギ制御薄膜
1. はじめに
2. 熱線反射ガラスおよび熱線遮蔽ガラス
3. 低放射ガラス
4. 調光ガラス
5. おわりに

3. フォトマスクブランクス
1. フォトリソグラフィ技術とフォトマスク
2. フォトマスクブランクスの技術
2.1 バイナリー型
2.2 位相シフト型

第5節 記録デバイス
1. ハードディスクドライブ
1. はじめに
2. 磁気記録媒体の基本構造
3. 磁気抵抗ヘッドの基本構造
4. 磁性多層薄膜のスパッタ成膜時のキーポイント
5. 磁気記録媒体および磁気抵抗ヘッドの装置構成例

2. デジタル多用途ディスク
1. DVDの種類
2. DVDの製造方法
2.1 原盤工程
2.2 複製工程
3. DVD製造のポイント

第6節 ディスプレイ
1. 液晶ディスプレイ
1. はじめに
2. スパッタリング装置
2.1 装置形態
2.2 スパッタリングカソード
3. 化学気相成長法装置
3.1 装置構成と形態
3.2 化学気相成長法で形成される薄膜に要求される特性
2. プラズマディスプレイパネル
1. PDPの原理・構造と製造工程
2. PDP用の薄膜製造装置
2.1 スパッタリング装置
2.2 電子ビーム蒸着装置とイオンプレーティング装置
3. 有機EL
1. はじめに
2. 真空蒸着成膜
3. 有機EL薄膜作製技術
3.1 有機EL材料の蒸着特性
3.2 有機EL薄膜作製
3.3 陰極薄膜作製
4.有機EL薄膜のパターン形成と膜厚制御
4.1 パターン形成
4.2 膜厚の制御
5. 有機EL薄膜の蒸着性能評価
6. 最後に

第7節 半導体
1. 大規模集積回路で使用される薄膜
2. ゲート絶縁膜
2.1 ゲート絶縁膜
2.2キャパシタ絶縁膜
3. トランジスタ配線間絶縁膜
4. 配線工程絶縁膜
5. メタライズ
5.1 電極配線の分類
5.2 電極配線のスケーリング
5.3 ゲート電極配線技術
5.4 コンタクト電極
5.5 低抵抗配線

第8節 太陽電池

おわりに-これからの薄膜作製技術-
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