商品コード: RLB222926

エピジェネティクスの産業応用

販売価格(税込): 88,000
ポイント: 0 Pt
■体裁:B5判、393ページ、上製本
■発刊:2014/4
■ISBNコード:978-4-7813-0933-0
■シーエムシー出版

★ 医薬、医療、食品、農業分野を新たなステージへ導く最重要研究領域!
★ ゲノム研究では解明できなかった生命現象や疾患の原因が明らかに!
★ 最新研究、周辺技術、政策・産業化動向など、これまでにない圧倒的な情報量の一冊!

【監修】
畑田出穂・久保田健夫

【著者】
畑田出穂   群馬大学
久保田健夫   山梨大学
有吉眞理子   京都大学
西岡憲一    佐賀大学
野原恵子   (独)国立環境研究所
橋本貢士   東京医科歯科大学
小川佳宏   東京医科歯科大学
鵜木元香   九州大学
佐々木裕之   九州大学
金井弥栄   (独)国立がん研究センター研究所;(独)科学技術振興機構(JST)
新井恵吏   (独)国立がん研究センター研究所;(独)科学技術振興機構(JST)
幸田尚   東京医科歯科大学
堀居拓郎   群馬大学
長尾恒治   北海道大学大学院
小布施力史   北海道大学大学院
三浦史仁   九州大学
伊藤隆司   九州大学
船田さやか   千葉大学;東京大学
金田篤志   千葉大学
佐藤優子   大阪大学大学院
木村宏   大阪大学大学院
鈴木拓   札幌医科大学
勝島啓佑   愛知県がんセンター研究所
近藤豊   愛知県がんセンター研究所
山下政克   愛媛大学
高瀬隆太   熊本大学
日野信次朗   熊本大学
中尾光善   熊本大学
酒井寿郎   東京大学
稲垣毅   東京大学
鮎澤信宏   東京大学
藤田敏郎   東京大学
染谷和江   慶應義塾大学
日比野沙奈   慶應義塾大学
岡田匡央   慶應義塾大学
吉村昭彦   慶應義塾大学
池亀天平   東京大学
文東美紀   東京大学
笠井清登   東京大学
岩本和也   東京大学
目黒牧子   金沢大学
堀家慎一   金沢大学
岩田淳   東京大学医学附属病院
漆山大知   福岡大学;(独)国立成育医療研究センター研究所
秦健一郎   (独)国立成育医療研究センター研究所
副島英伸   佐賀大学
樋浦仁   東北大学
有馬隆博   東北大学
福岡秀興   早稲田大学
石井俊輔   (独)理化学研究所
齋藤伸治   名古屋市立大学
伊藤昭博   (独)理化学研究所
小林大貴   (独)理化学研究所
吉田稔   (独)理化学研究所
鈴木孝禎   京都府立医科大学
岡本晃充   東京大学
安井徹郎   九州大学
松田泰斗   九州大学
上薗直弘   九州大学;鹿児島大学
中島欽一   九州大学
西野光一郎   宮崎大学
梅澤明弘   (独)国立成育医療研究センター
佐野浩   奈良先端科学技術大学院大学
澤井健   岩手大学

【刊行にあたって】
 エピジェネティックな遺伝子スイッチのメカニズムについては、20世紀の後半、ゲノムインプリンティング現象やがんの研究によって明らかにされてはいたが、広く知られるには至らなかった。しかし今世紀に入り俄然注目されるようになった。それは「エピジェネティクスで未解明のさまざまな生命現象や疾患を説明できるかもしれない」という期待からであった。実際、エピジェネティクスに基づく生命現象や疾患の解明に関する論文が、一流雑誌に毎週のように発表されるようになった。その範囲は、今や、がん、慢性炎症、エネルギー代謝疾患、糖尿病、高血圧、免疫疾患、精神疾患、発達障害、神経変性疾患、周産期疾患、インプリンティング疾患、生殖補助医療、成人病胎児期発症と多岐におよぶ。また産業への展開として、診断、創薬、幹細胞、再生医療、iPS細胞など医療や畜産への応用が広く検討され始めてもいる。
 さまざまな分野の読者に本書をお読みいただき、「エピジェネティクスの重要性とその産業化の展望」について伝えることができれば、監修者の望外の喜びである。

(巻頭言「はじめに」より一部抜粋)

【目次】
【第I編 概論】

第1章 エピジェネティクスとは
1.1 はじめに
1.2 DNAのメチル化
1.3 ヒストン修飾
1.4 哺乳類の発生におけるエピジェネティクス状態の遷移
1.5 環境とエピジェネティクス
1.6 おわりに

第2章 エピジェネティクスの研究動向と政策・産業化
2.1 はじめに
2.2 エピジェネティクス
2.3 エピジェネティクス分野の基礎研究の動向
2.4 エピジェネティクス分野の臨床研究の動向
2.5 エピジェネティクス研究に基づいた政策と産業化


【第II編 基礎研究】

第1章 DNAメチル化・脱メチル化によるエピジェネティック制御
1.1 はじめに
1.2 哺乳動物のDNAメチル化パターン
1.3 メチル化DNA認識の分子基盤
1.4 TETタンパク質によるメチル化シトシンの酸化
1.5 5-メチルシトシンの酸化修飾を介した受動的脱メチル化
1.6 5-メチルシトシンの酸化修飾を介した能動的脱メチル化
1.7 酵素活性非依存的なTETタンパク質の機能
1.8 おわりに

第2章 ヒストン修飾による遺伝子発現制御機構
2.1 はじめに
2.2 転写活性化におけるヒストン化学修飾の役割の概要
2.3 転写活性化初期過程における転写開始点付近のヒストン化学修飾の変化
2.4 転写伸長初期過程におけるヒストン化学修飾
2.5 Pre-mRNAスプライシングとヒストン化学修飾
2.6 おわりに

第3章 環境化学物質とエピジェネティクス
3.1 はじめに
3.2 環境化学物質とは
3.3 妊娠期の環境化学物質曝露とエピジェネティクス
3.4 妊娠期の環境化学物質曝露による多世代・継世代影響
3.5 環境化学物質の in vitro でのエピジェネティック作用とその機序
3.6 In vivo 実験およびヒトの研究で観察された環境化学物質によるエピジェネティック変化
3.7 ヒ素のエピジェネティック作用
3.8 化学物質の生体影響を検出するエピジェネティックマーカー
3.9 おわりに

第4章 栄養環境とエピジェネティクス
4.1 はじめに
4.2 胎生期の栄養環境とエピジェネティクス
4.3 食品成分によるDNAメチル化制御
4.4 栄養環境による肝臓における脂質代謝のエピジェネティックな遺伝子変化
4.5 Peroxisome proliferator activated receptor (PPAR)γのエピジェネティクス
4.6 PPARγ coactivator 1(PGC1)αのエピジェネティクス
4.7 おわりに

第5章 生殖細胞形成と個体発生におけるエピジェネティクス
5.1 はじめに
5.2 ゲノムインプリンティング
5.3 X染色体不活性化
5.4 生殖細胞におけるリプログラミング
5.5 個体発生におけるリプログラミング
5.6 おわりに

第6章 国際ヒトエピゲノムコンソーシアム
6.1 はじめに:正常組織の標準エピゲノムプロファイル決定の意義
6.2 国際ヒトエピゲノムコンソーシアム:創設と現状
6.3 CREST/IHEC Team Japan
6.4 おわりに:IHECの今後の展開


【第III編 解析法】

第1章 特定遺伝子領域のエピジェネティクス解析法
1.1 はじめに
1.2 ゲノムDNAのシトシンのメチル化修飾
1.3 メチルシトシンの酸化的修飾塩基の解析
1.4 ヒストン修飾解析

第2章 マイクロアレイを用いた網羅的エピジェネティクス解析法
2.1 はじめに
2.2 DNAメチル化網羅的解析法
2.3 DNAヒドロキシメチル化網羅的解析法
2.4 ヒストン修飾解析法
2.5 おわりに

第3章 次世代シーケンサーを用いた網羅的エピジェネティクス解析:ChIP-seq法など
3.1 はじめに
3.2 ChIP-seq法の概要
3.3 ChIP-seqの応用法や類似の方法
3.4 ChIP-seq法を実際に行ってみると
3.5 おわりに

第4章 次世代シークエンサーを用いたDNAメチル化解析
4.1 はじめに
4.2 次世代シークエンサーとリード数
4.3 DNAのメチル化検出のための基本原理と特性
4.4 メチル化感受性制限酵素を利用したメチローム解析
4.5 親和性を利用した濃縮に基づくメチローム解析
4.6 バイサルファイトシークエンシングに基づくメチローム解析
4.7 1分子シークエンサーを用いたメチローム解析

第5章 質量分析やビーズアレイによる網羅的解析
5.1 はじめに
5.2 Bisulfite反応
5.3 MALDI-TOF-MS
5.4 Infinium HumanMethylation450 BeadChip(R)
5.5 おわりに

第6章 エピジェネティクスの生細胞イメージング技術
6.1 はじめに
6.2 内在のヒストン修飾に対するセンサー
6.3 FRETを利用した修飾・脱修飾酵素活性のセンサー
6.4 おわりに


【第IV編 疾患エピゲノム研究】

第1章 がんのDNAメチル化異常 
1.1 はじめに
1.2 ゲノムワイドな低メチル化
1.3 CpGアイランドの高メチル化
1.4 DNAメチル化異常とmicroRNA
1.5 DNAメチル化異常とヒストン修飾の関係
1.6 CpG island methylator phenotype (CIMP)
1.7 DNAメチル化異常のメカニズム
1.8 DNAメチル化異常のがん診療への応用
1.9 おわりに

第2章 がんのヒストン修飾異常
2.1 はじめに
2.2 がん細胞の形質に影響をあたえるヒストンメチル化異常
2.3 lncRNAとヒストンメチル化の制御
2.4 グリオーマにおけるヒストン修飾異常
2.5 おわりに

第3章 慢性炎症とT細胞分化のエピジェネティクス制御
3.1 はじめに
3.2 CD4 T細胞の機能分化とエピジェネティクス
3.3 TH2細胞機能維持(TH2記憶)のエピジェネティクス
3.4 CD4 T細胞老化のエピジェネティック制御と炎症
3.5 おわりに

第4章 エネルギー代謝のエピジェネティック制御と疾患
4.1 はじめに
4.2 エピジェネティック因子による栄養環境の感知
4.2.1 栄養環境とエピジェネティクス
4.2.2 エピジェネティック因子とエネルギー代謝制御
4.3 がん代謝とエピジェネティクス
4.4 おわりに

第5章 糖尿病とエピゲノム
5.1 はじめに
5.2 遺伝素因と環境素因
5.3 肥満生活習慣病発症におけるエピゲノムの関与
5.4 おわりに

第6章 高血圧のエピジェネティクス
6.1 はじめに
6.2 母体健康と次世代の高血圧に関わるエピジェネティクス
6.3 食塩感受性高血圧における腎交感神経系の役割とエピジェネティクス
6.4 食塩感受性高血圧における交感神経中枢の活性化とエピジェネティクス
6.5 腎皮質集合管におけるエピジェネティクス
6.6 11β-HSD2のメチル化と高血圧
6.7 食塩感受性高血圧におけるヒストン脱メチル化酵素LSD-1の役割

第7章 ヘルパーT細胞のエピジェネティック制御と免疫疾患
7.1 免疫応答
7.2 ヘルパーT細胞の分化
7.3 制御性T細胞(Treg)
7.4 T細胞エピジェネティックと免疫疾患
7.5 ヒストン修飾とヘルパーT細胞分化制御
7.6 DNAメチル化制御とヘルパーT細胞分化制御
7.7 Treg分化におけるFoxp3の発現制御
7.8 Treg産生および維持のエピジェネティック制御
7.9 おわりに

第8章 精神疾患におけるエピジェネティクス解析
8.1 精神疾患におけるゲノム解析の現状
8.2 精神疾患におけるDNAメチル化解析
8.3 おわりに

第9章 発達障害の遺伝学から明らかとなる多彩なエピジェネティクスの役割
9.1 はじめに
9.2 DNAのメチル化に関連した発達障害
9.3 ヒストン修飾に関連した発達障害
9.4 ゲノムインプリンティングと発達障害
9.5 発達障害発症機序における環境因子の影響
9.6 おわりに

第10章 神経変性疾患のエピジェネティクス
10.1 はじめに
10.2 エピジェネティクス異常が直接の原因として特定された遺伝性神経疾患
10.3 エピジェネティクス異常が原因の一端の可能性のある孤発性神経変性疾患
10.4 パーキンソン病 (Parkinson’s disease: PD)におけるエピジェネティクス異常

第11章 周産期疾患のエピジェネティクス
11.1 はじめに
11.2 ヒト発生とエピジェネティクス
11.3 周産期の疾患とエピゲノム異常
11.4 胎内環境(周産期)とその後のエピゲノム異常
11.5 今後の展望

第12章 インプリンティング疾患のエピジェネティクス
12.1 はじめに
12.2 Prader-Willi症候群(PWS)とAngelman症候群(AS)
12.3 Beckwith-Wiedemann症候群(BWS)
12.4 Silver-Russell症候群(SRS)
12.5 偽性副甲状腺機能低下症(PHP)
12.6 新生児一過性糖尿病1型(TNDM type 1)
12.7 14番染色体片親性ダイソミー症候群
12.8 マルチローカスメチル化異常(multilocus methylation defects:MMD)とゲノムワイドpatUPD
12.9 おわりに

第13章 生殖補助医療とエピジェネティクス
13.1 はじめに
13.2 ARTについて
13.3 エピジェネティックリプログラミング
13.4 ARTにおけるインプリント異常
13.5 おわりに

第14章 DOHaDとエピジェネティクスからみた胎生期低栄養
14.1 緒言
14.2 成人病の素因が胎児期に形成されるとする疫学研究
14.3 NCD(non communicative disease)
14.4 胎生期低栄養環境とエピジェネティクス変化
14.5 日本での出生体重低下の流れ
14.6 最後に

第15章 ストレスによるエピゲノム変化の遺伝 
15.1 はじめに
15.2 ヘテロクロマチンとATF-2
15.3 環境ストレスによるエピゲノム変化と遺伝
15.4 多様なストレスによるエピゲノム変化と遺伝
15.5 おわりに


【第V編 産業への展開】

第1章 エピジェネティクス診断法
1.1 はじめに
1.2 エピジェネティクスが関連する疾患
1.3 エピジェネティクスを利用する診断法の種類
1.4 エピジェネティクス診断法の実際
1.5 エピジェネティクス診断法の展望
1.6 おわりに

第2章 ヒストン修飾酵素を標的としたエピジェネティクス創薬 
2.1 はじめに
2.2 ヒストンアセチル化を標的とした化合物
2.3 ヒストンメチル化を標的とした化合物
2.4 おわりに

第3章 次世代エピジェネティクス創薬 
3.1 はじめに
3.2 DNAメチル基転移酵素阻害剤
3.3 ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤
3.4 ブロモドメイン阻害剤
3.5 ヒストンメチル化酵素阻害剤
3.6 ヒストン脱メチル化酵素阻害剤
3.7 おわりに

第4章 化学的手法によるエピジェネティクス検出と応用
4.1 はじめに
4.2 メチルシトシン検出のための新反応
4.3 新規人工DNA「ICONプローブ」
4.4 ICONプローブを用いた検出の実際
4.5 メチル化DNAの蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(MeFISH)
4.6 他の塩基とのICONプローブの反応 ~Tと5hmC~
4.7 タングステン過酸化物による5hmC選択的酸化
4.8 5hmC選択的反応の源泉
4.9 5hmC含有DNAに対するシーケンシング
4.10 おわりに

第5章 神経再生医療におけるエピジェネティクス
5.1 はじめに
5.2 細胞補充療法
5.3 機能的神経回路の再構築
5.4 おわりに

第6章 幹細胞・iPS細胞研究におけるエピジェネティクスと医療応用
6.1 はじめに
6.2 リプログラミングにおけるiPS細胞のエピゲノム変化
6.3 多能性幹細胞特異的DNAメチル化パターン
6.4 iPS細胞における異常メチル化領域
6.5 長期培養におけるエピゲノム状態の変化
6.6 幹細胞エピゲノム研究の医療応用への展開
6.7 おわりに

第7章 植物のエピジェネティクス
7.1 科学史と植物
7.2 獲得形質の遺伝
7.3 エピミューテーション
7.4 環境応答の記憶
7.5 記憶の遺伝
7.6 生態系のバランス

第8章 家畜における体外生産胚のエピジェネティクス特性とその人為的制御 
8.1 家畜におけるエピジェネティクス
8.2 ウシ体細胞クローン技術の現状と問題点
8.3 体細胞クローン胚における遺伝子発現動態
8.4 ウシ体細胞クローン胚におけるDNAメチル化レベルおよびヒストン修飾
8.5 ウシ体細胞クローン胚におけるエピジェネティクスの人為的制御
8.6 今後の展開
  • 数量:

ALLIANCE PARTNER

提携パートナー企業