商品コード: RLB222664

天然物全合成の最新動向

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出版図書

■体裁:B5判、308ページ
■発刊:2009/11
■ISBNコード:978-4-7813-0164-8
■シーエムシー出版

【著者】
北 泰行   大阪大学 名誉教授;立命館大学 薬学部長
井上将行   東京大学 大学院薬学系研究科 有機反応化学 教授
佐藤隆章   慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 分子有機化学 助教
平間正博   東北大学 大学院理学研究科 化学専攻 天然物合成化学 教授
千葉俊介   Nanyang Technological University、Division of Chemistry and BiologicalChemistry、School of Physical Sciences and Mathematical Sciences(Singapore)、Assistant Professor
北村 充   九州工業大学 大学院工学研究院 有機合成化学 准教授
奈良坂紘一  東京大学 名誉教授;Nanyang Technological University,Division of Chemistryand Biological Chemistry,School of Physical Sciences and MathematicalSciences (Singapore),Nanyang Professor
只野金一   慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 有機合成化学 教授
加藤 正   東北薬科大学 医薬合成化学 教授
宮下和之   大阪大谷大学 薬学部 有機化学 教授
今西 武   大阪大学 名誉教授;大阪大学先端科学イノベーションセンター 客員教授
福山 透   東京大学 大学院薬学系研究科 天然物合成化学 教授
徳山英利   東北大学 大学院薬学研究科 医薬製造化学 教授
北 泰行   大阪大学 名誉教授;立命館大学 総合理工学院 薬学部 精密合成化学 教授
藤岡弘道   大阪大学 大学院薬学研究科 分子合成化学 教授
横島 聡   東京大学 大学院薬学系研究科 天然物合成化学 講師
赤井周司   静岡県立大学 薬学部 医薬品創製化学 教授
長澤和夫   東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 生命有機化学 教授
岩本 理   東京農工大学 大学院工学府 博士課程
樹林千尋   東京薬科大学 薬学部 名誉教授
青柳 榮   東京薬科大学 薬学部 機能性分子設計学 教授
村竹英昭   (財)乙卯研究所 副所長
宮下正昭   北海道大学 名誉教授;工学院大学 工学部 応用化学科 有機合成化学 教授
谷野圭持   北海道大学 大学院理学研究院 化学部門 教授
吉村文彦   北海道大学 大学院理学研究院 化学部門 助教
中田 忠   東京理科大学 理学部第二部 化学科 教授
佐々木誠   東北大学 大学院生命科学研究科 生命構造化学 教授
塚野千尋   京都大学 大学院薬学研究科 薬品分子化学 助教
中村精一   北海道大学 大学院先端生命科学研究院 薬品製造化学 准教授
橋本俊一   北海道大学 大学院薬学研究院 薬品製造化学 教授
渡辺賢二   静岡県立大学 薬学部 生薬学 准教授
大栗博毅   北海道大学 大学院理学研究院 有機反応論 准教授
及川英秋   北海道大学 大学院理学研究院 有機反応論 教授
高橋孝志   東京工業大学 大学院理工学研究科 応用化学専攻 分子機能設計講座 教授
布施新一郎  東京工業大学 大学院理工学研究科 応用化学専攻 分子機能設計講座 助教
田上克也   エーザイプロダクトクリエーションシステムズ 原薬研究部長

【序文】
 天然物の化学は近年学問的興味からだけでなく,創薬という産業的見地からもその重要性を増しつつある。著者が薬学部の大学院生であった1970年代の大学では創薬に関する教育や研究は殆ど行われていなかった。
 1990年代に入ると,分子生物学,構造生物学などの学問領域の急速な進展により,くすりの開発方法が理論的に展開され,大学に於いても創薬研究の重要性が強く意識されるようになってきた。現在は,ポストゲノム時代と呼ばれ,大学に於ける創薬研究は大きく変化している。ゲノミクス,プロテオミクスなど,オミクス技術がバイオマーカに応用され,くすりの評価に革新的な変革が見られるようになった。
 近年の天然物全合成では,生物活性が強く構造が複雑で合成困難と思われる天然物をスマートかつ高効率的に合成することが求められており,極めてチャレンジングな研究テーマである。しかもその中に新反応や新コンセプトが含まれることが多く,有機化学そのものの発展に大きく貢献している。天然物の化学は創薬研究における分子の設計合成に不可欠の領域となってきただけでなく,合成研究者育成という重要な人材供給の面でも,これまで以上に大きな役割を果たす時が到来していると言えよう。
 本書では,分野をリードする先生方の世界に誇りうる天然物合成の力量を,若い研究者や研究者を目指す大学生,大学院生に知って欲しいと願うと共に,研究を進める上での一助になればと祈念する次第である。
(「巻頭言」より)

平成21年6月  北 泰行

【目次】

【第I編 脂肪族生物活性天然物】
第1章 対称性を利用したメリラクトンAの全合成―遠隔不斉誘導と不斉非対称化―(井上将行,佐藤隆章,平間正博)

1. はじめに
2. メリラクトンA
2.1 合成計画
2.2 2官能基同時変換:メソ体8員環ジケトンの合成
2.3 非対称化反応:ジアステレオ選択的分子内アルドール反応
2.3.1 反応条件・第一級水酸基の保護基の最適化
2.3.2 分子内アルドール反応の推定反応機構
2.4 メリラクトンAの炭素骨格の構築
2.5 (±)-メリラクトンAの全合成
3. メリラクトンAの不斉全合成
3.1 二つの合成計画
3.2 遠隔不斉誘導(ルート1)
3.3 不斉非対称化(ルート2)
4. 両鏡像体の神経突起伸展活性
5. おわりに

第2章 ソルダリンの合成(千葉俊介,北村充,奈良坂紘一)
1. アグリコン,ソルダリシンの合成
1.1 合成計画
1.2 シクロプロパノールの酸化的ラジカル反応による二環性化合物Ⅳの合成
1.3 環化前駆体IIの合成
1.4 パラジウム触媒を用いた多置換ビシクロ[2.2.1]骨格の構築
2. ソルダリンの合成
2.1 合成計画
2.2 グリコシル化の検討
2.3 ソルダリンの合成

第3章 γ-ラクタム型天然有機化合物の全合成(只野金一)
1. はじめに
2. (-)-PI-091の全合成
3. (-)-プラマニシンの全合成
4. (-)-シューロチンA(3)および(-)-シューロチンF2(4)の全合成
5. (-)-アザスピレン(5)の全合成
6. おわりに

第4章 (+)-スキホスタチンの全合成(加藤正)
1. はじめに
2. 著者らによる(+)-スキホスタチン(1)の全合成
2.1 合成計画
2.2 シクロヘキセン環部2の合成
2.3 長鎖不飽和脂肪酸部3Bの合成
2.4 (+)-スキホスタチン(1)の全合成
3. 大方-高木らによる(+)-スキホスタチン(1)の全合成
3.1 合成計画
3.2 エポキシシクロヘキサン環部35の合成
3.3 長鎖不飽和脂肪酸部3Aの合成
3.4 (+)-スキホスタチン(1)の全合成
4. 北-藤岡らによる(+)-スキホスタチン(1)の全合成
4.1 合成計画
4.2 シクロヘキセン環部64の合成
4.3 (+)-スキホスタチン(1)の全合成
5. おわりに

第5章 フォストリエシンおよびロイストロダクシンBの全合成(宮下和之,今西武)
1. はじめに
2. フォストリエシンおよびロイストロダクシンの合成計画
3. フォストリエシンの全合成
3.1 セグメントBFの合成
3.2 フォストリエシンの全合成
4. ロイストロダクシンBの全合成
4.1 セグメントALの合成
4.2 セグメントBLの合成
4.3 セグメントCLの合成
4.4 ロイストロダクシンBの全合成
5. おわりに

【第II編 含芳香環生物活性天然物】
第6章 FR900482の全合成(福山透,徳山英利)
1. 鍵合成中間体の設定と合成上の課題
2. ラセミ体の全合成
3. [3+2]付加環化反応を鍵工程とした合成研究
4. 不斉全合成
4.1 合成計画
4.2 第一世代不斉合成
4.3 第二世代不斉全合成
5. おわりに

第7章 ディスコハブディン類の合成(北泰行,藤岡弘道)
1. はじめに
2. ディスコハブディン類の合成
2.1 基盤技術の開発
2.2 ディスコハブディンCの全合成
2.2.1 著者らの全合成
2.2.2 山村らおよびHeathcockらの全合成
2.3 ディスコハブディンAの全合成
2.4 プリアノシンBの合成
3. ディスコハブディン誘導体と活性
4. おわりに

第8章 (+)-ビンブラスチンの全合成(福山透,横島聡)
1. はじめに
2. (-)-ビンドリン(2)の効率的全合成
3. ビンドリンの導入における立体化学
4. 上部インドールユニットの合成
5. ビンドリンの導入および全合成の完遂

第9章 γ-ルブロマイシンの全合成(赤井周司,北泰行)
1. はじめに
2. γ-Rubromycinの第一世代全合成ルート:ジベンゾスピロケタールの収束合成
3. γ-Rubromycinの全合成
4. おわりに

【第III編 環状含窒素生物活性天然物】
第10章 グアニジン系天然物サキシトキシン類の全合成(長澤和夫,岩本理)
1. はじめに
2. 三成分連結法を用いた初の全合成
3. アゾメチンイミン型1,3-双極子付加環化反応を用いた全合成
4. C-Hアミノ化反応を基盤とする全合成
5. ニトロンの分子間1,3-双極子付加環化反応を用いた全合成
5.1 (-)-および,(+)-デカルバモイルオキシサキシトキシン(ent-2,2)の全合成
5.2 ニトロアルケンを用いた改良法による(+)-サキシトキシン(1)の形式全合成
6. おわりに

第11章 三環性海洋アルカロイドの全合成(樹林千尋,青柳榮)
1. はじめに
2. アシルニトロソ化合物の分子内ヘテロDiels-Alder反応を利用する(±)-レパジホルミンおよび(±)-ファシクラリンの合成
2.1 (±)-レパジホルミンの合成および提出式の訂正
2.2 (±)-ファシクラリンの合成
3. アザスピロ環化反応を共通鍵反応とする(-)-レパジホルミン,(+)-シリンドリシンC,(-)-ファシクラリンの合成
3.1 (-)-レパジホルミンの合成および天然レパジホルミンの絶対配置の決定
3.2 (+)-シリンドリシンCの合成
3.3 (-)-ファシクラリンの合成

第12章 7環性トリカブト毒(±)-ノミニンの全合成(村竹英昭)
1. はじめに
2. 天然物合成化学とは
3. トリカブトとそのアルカロイドについて
4. ノミニン合成開始に至る経緯
4.1 研究生活事始め
4.2 反応がうまく行かなかったからこそ
5. ノミニン全合成
6. 有機合成化学雑感

第13章 ゾアンタミン系アルカロイドの全合成(宮下正昭,谷野圭持,吉村文彦)
1. ゾアンタミンの単離,構造解析および生物活性
2. ノルゾアンタミンの単離,構造解析および生物活性
3. ゾアンタミン系アルカロイドの合成研究
3.1 ノルゾアンタミンおよびゾアンタミンの合成研究
3.1.1 トリエン(14)の立体選択的合成および分子内Diels-Alder反応によるABC環の立体選択的構築
3.1.2 C9位の四級不斉炭素の立体選択的構築
3.1.3 鍵化合物:アルキン誘導体(28)の合成
3.1.4 重要前駆体ケトエステル(37)の合成
3.1.5 ノルゾアンタミンの全合成
3.1.6 ゾアンタミンの全合成
3.2 小林らによるノルゾアンタミンの不斉全合成
3.2.1 ゾアンタミン系アルカロイドに共通する環状アミノアセタール骨格(CDEFG環)の合成
3.2.2 ノルゾアンタミンの不斉全合成
3.3 その他のゾアンタミン系アルカロイドの合成研究
3.3.1 ノルゾアンタミンのAB環の合成
3.3.2 ノルゾアンタミンのABC環の合成
3.3.3 ゾアンテノールのABC環の合成
3.3.4 ゾアンテノールのABCD環の合成
4. おわりに

【第IV編 環状エーテルおよびペプチド生物活性天然物】
第14章 海洋産ポリエーテル系天然物ブレベトキシンBの全合成(中田忠)

1. はじめに
2. SmI2環化反応によるポリエーテル合成法の開発
3. ブレベトキシンBの全合成
3.1 合成計画
3.2 ABCDEFG環の合成
3.3 IJK環の合成
3.4 ブレベトキシンB(1)の全合成
4. おわりに

第15章 巨大ポリエーテル天然物・ギムノシン-Aの全合成(佐々木誠,塚野千尋)
1. はじめに
2. ギムノシン-Aの合成計画
3. GHI環部およびKLMN環部の合成
4. FGHIJKLMN環部の合成
5. CDEF環部モデルの合成
6. ABCD環部の合成
7. 14環性A-N環部骨格の構築とギムノシン-Aの全合成
8. ギムノシン-Aの構造活性相関
9. おわりに

第16章 ピンナトキシンAの全合成(中村精一,橋本俊一)
1. はじめに
2. ピンナトキシン類の全合成
3. 合成計画
4. 二重ヘミケタール化/ヘテロMichael連続型反応によるジスピロケタール環部の立体選択的な構築
5. 環化異性化反応を経る全合成
6. おわりに

第17章 生合成酵素による天然物の全合成―抗腫瘍性物質エキノマイシンの合成を中心に―(渡辺賢二,大栗博毅,及川英秋)
1. はじめに
2. 生合成酵素を使った天然物合成の流れ
3. 酵素を用いた複雑な構造を有する天然物の合成の具体例
3.1 アフィディコリンの酵素合成に関する研究
3.1.1 環化酵素遺伝子の取得と機能解析
3.1.2 生合成遺伝子クラスターの取得と酵素的全合成の試み
3.2 エキノマイシンの酵素合成
3.2.1 非リボソーム依存性ペプチド合成酵素の反応機構
3.2.2 エキノマイシン生合成遺伝子群の同定
3.2.3 エキノマイシンの生合成経路の推定
3.2.4 エキノマイシンのde novo合成
3.2.5 エキノマイシン誘導体の酵素合成
3.3 サフラマイシンの酵素合成研究
3.3.1 サフラマイシン生合成遺伝子クラスターの取得と骨格合成鍵酵素の推定
3.3.2 NRPS SfmCを用いたサフラマイシンのin vitro骨格合成
4. おわりに

【第V編 生物活性天然物の高効率大量合成】
第18章 ラボオートメーション技術を活用したタキソールおよび9員環エンジイン化合物の合成(高橋孝志,布施新一郎)

1. はじめに
2. タキソール
3. マスクされた9員環エンジイン化合物の合成研究
4. 自動化した反応リスト
5. おわりに

第19章 新規抗癌剤E7389(eribulin mesylate)の工業的製造プロセスの開発(田上克也)
1. はじめに
2. 海洋天然物ハリコンドリンB
3. ハリコンドリンの全合成研究
4. ハリコンドリン誘導体の構造活性相関研究とE7389の発見
5. E7389の合成研究
5.1 フラグメントと合成戦略
5.2 C1-C13フラグメント
5.3 C14-C26フラグメント
5.4 C27-C35フラグメント
5.5 C14-C35フラグメント
5.6 E7389へのFinal assembly工程
6. まとめ
7. おわりに
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