商品コード: RLB100206

静音設計と騒音防止・利用技術

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出版図書

出版図書 > その他 > 機械

■体裁:B5判、428頁
■発刊:1993年2月
■ISBNコード:
※オンデマンド印刷版となります為、掲載画像とお届けする商品の表紙デザインは異なります。ご了承ください。
なお、本文内容に変更はございません。

【編集委員】
山田伸志 山梨大学

【執筆者】
渡辺敏 福島工業高等専門学校/ 今井章久 武蔵工業大学/ 西村正治 三菱重工業/
小坂敏文 東京工業高等専門学校/ 中井幹雄、横井雅之 京都大学、大阪産業大学/
北村敏也 山梨大学/ 鈴木昭 法政大学/ 田中俊光 神戸製鋼所/ 大久保信行 中央大学/
一宮浩一 法政大学/ 森本司 産業公害防止協会/ 大倉清 三菱重工業/
板場晃三 三菱製鋼/ 飯田一嘉 ブリヂストン/ 吉村純一 小林理学研究所/
工藤信之 荏原製作所/ 岩瀬昭雄 新潟大学/ 長安克芳 東芝/ 武士俣貞助 青山学院大学/
長岐忠則 黒田製鋼/ 杉山優 豊興工業/ 永田精一 カヤバ工業/ 長安克芳 東芝/
石川誠治 松下電器産業/ 伊藤真純 東芝/ 長安克芳 東芝/ 田中英晴 三菱電機/
長安克芳 東芝/ 今城昭和彦 三菱電機/ 宇郷良介 日本電気/ 藤本淳 日本電気/
神田聡 リコー/ 古澤隆彦 鹿島技術研究所/ 岡野勝夫 荏原製作所/ 工藤信之 荏原製作所/
湯浅達治 日本大学/ 川原孝七 荏原シンワ/ 横山晴雄 石川島防音工業/
古米幸郎 松下住設機器/ 赤松克児 三菱重工業/ 中野政輝 日立ビルシステムサービス/
丸田芳幸 荏原総合研究所/ 小坂敏文 東京工業高等専門学校/ 高橋稔 日立プラント建設/
西村正治 三菱重工業/ 大内英俊 山梨大学/ 中野正章 千代田化工建設/
丸田芳幸、鈴木昭次 荏原総合研究所、法政大学/ 松林勝志 東京工業高等専門校/
滝瀬忠 ソニー/ 山田伸志 山梨大学/ 鈴木昭次 法政大学

※執筆者の所属等は、刊行当時のものです。

【概要】
科学技術の進歩と共に我々の生活は大変豊かになってきた。電気洗濯機,電気掃除機,電動芝刈機と,電気を利用した製品が家庭の中にたくさん利用されるようになってきた。芝刈り,草刈りも,昔のように鎌を使って手で刈れば音も小さく隣近所に迷惑を掛けることもない。電動芝刈機で芝刈りをすれば,利用者は便利であるが,隣家の人にとってはうるさくて苦情になる。
生活の便利さが実現されると,人々は,静けさを含めた真の快適性を求め始める。日曜日にも動かせる電動芝刈機,日曜大工で隣を気にしなくても使える電動のこぎり等,値段は2割くらい高くても静かな機械を求める動きが強くなっている。このための新商品開発メーカーに強く求められている。
静かで快適にしようできる機械を作るために多くの技術者が日夜努力している。静音な機械をつくるために従来は経験と感に頼っていた。試作品を作り,その後で音対策をするのが普通であった。しかし静音な機械を作る要求が強まるにつれて,設計段階から静音化の考え方を取り入れる事が必要になってきた。
本書においては,静音設計を目指して,音の基礎的考え方,最近のディジタル測定法,騒音発生メカニズム,騒音防止設計法,実用的な騒音防止技術,騒音防止材料,OA機器など各種機械の騒音防止例,また最近重要視されているアクティブ技術,音振動による診断技術など基礎から最新の技術まで述べられている。
本書においては機械要素の低温化の技術について述べるとともに,その要素の集合としての機械の騒音設計を重視している。大型の機械においては,永年の経験と有限要素法,モード解析等コンピュータ技術の進歩によって低騒音設計も可能になりつつある。全く新しい機械を設計するときは騒音の予測においてまだまだ不十分な点もあるが,5年後には,CAD設計と同様に騒音を含めたCAE設計が実現すると思われる。静音設計を目指した本書が,音設計技術者の役に立ち,静音な社会が実現することを期待している。
本書が多くの専門家によって真剣に書かれたため,出版までに多くの時間を要し,本書の読者に多くのご迷惑を掛けた事をお詫び致します。

【目次】

第1章 音と騒音の基礎   
   1. 騒音とは何か
   2. 音圧レベルとパワーレベル
   3. 騒音レベル
   4. 騒音の伝搬
   5. 機械騒音の表示法と評価法

第2章 騒音のディジタル計測法   
   1. サンプリング定理
   2. フィルタによる周波数分析
   3. FFTアナライザ
   4. 音響インテンシティ
   5. 振動インテンシティ
   6. 音響ホログラフィ
   7. 適応フィルタの利用

第3章 騒音発生源および伝播経路の同定法   
   1. 聴感による方法
   2. 機械の停止, 稼働のタイミングによる方法
   3. 音源除去による方法
   4. 発生音の周波数スペクトルに注目した方法
   5. 音響インテンシティによる方法
   6. 音響ホログラフィ
   7. 音源方向探知
   8. コヒーレンス解析による音源寄与量の推定
   9. 衝撃音の発生源位置探査
   10. 連続音の発生源位置探査

第4章 騒音発生メカニズム   
 第1節 振動音  
   1. 点音源
   2. 正負二重音源
   3. 無限バッフル板上にある, 正弦波状振動をしている円形ピストン
 第2節 衝突音  
   1. 衝突音の例(小球の衝突音)
 第3節 摩擦音  
   1. 摩擦音の発生機構
   2. 摩擦音の実験結果
   3. 鳴き音の防止法
 第4節 電磁音  
   1. 磁気ひずみに起因する騒音
   2. 吸引反発力に起因する騒音
   3. 磁気によって生じるトルクに起因する騒音
 第5節 流体音  
   1. 流れ騒音
   2. カルマン渦による騒音
   3. 流体機械および配管系の騒音
   4. 流体機械の騒音
   5. 気流による発生騒音

第5章 騒音防止設計法   
 第1節 CAEと静音設計  
   1. 音響CAEの背景
   2. 静音設計とCAEシステム
 第2節 有限要素法と騒音予測  
   1. 有限要素法による音場解析理論
   2. 音場の境界条件
   3. 有限要素法を用いた音場解析の適用例
 第3節 境界要素法と騒音予測  
   1. 境界要素法による音場解析理論
   2. 騒音問題における音場の境界条件
   3. 複合音場の解析法
   4. 固有値解析
   5. 境界要素法を用いた音場解析の適用例
   6. あとがき
 第4節 設計変更による騒音予測  
   1. パネル設計変更における騒音予測
   2. 音響空間の形状変更における騒音予測
 第5節 モーダル解析と騒音設計  
   1. モーダル解析
   2. 騒音と振動との関連
   3. 低騒音化設計
   4. 音許モーダル解析
   5. 音響感度解析
 第6節 騒音防止と熱移動  
   1. 熱伝導
   2. 対流熱伝達
   3. 熱放射
   4. 熱通過
   5. 多孔性固体の熱的性質
   6. 熱源(音源)をカバーした時の熱的影響
 第7節 機械仕様と騒音  
   1. 機械パワーと騒音
   2. その他の機械仕様と騒音レベル

第6章 機械騒音実用防止技術   
   1. 騒音対策の基本計画(騒音対策のフローチャート)
   2. 騒音対策の基本的方策(騒音の伝搬経路と対策のフローチャート)
   3. 騒音の発生と防止
   4. エンクロージャ
   5. 騒音材の効果
   6. 遮音材の効果
   7. 制振材の効果
   8. 消音器
   9. 防振支持

第7章 防音防振材料   
 第1節 防振材料  
   1. 防振ゴム
   2. 金属ばねとダンバ
   3. 空気ばね
   4. 防振材料の特性と選択
 第2節 制振材料  
   1. 制振の役割とメカニズム
   2. 制振材料の種類とその応用
 第3節 遮音材料  
   1. 一重壁の透過損失
   2. 二重壁の透過損失
 第4節 吸音材料  
   1. まえがき
   2. 吸音材料の種類
   3. 吸音率とサイレンサの減音量
   4. 吸音材料の他の使用方法
   5. まとめ
 第5節 音響材料のデータベース  
   1. 音響設計作業の分析
   2. 音響材料データベースの構築の方針
   3. 音響材料データベースシステムの構築
   4. 遮音材料のデータベースファイルとその構造
   5. 遮音材料データベース用ユーティリティプログラム
   6. 吸音材料のデータベースシステム
   7. 吸音材料のデータベースファイルとその構造
   8. 吸音材料データベース用ユーティリティプログラム
   9. 音響材料のデータベースの試用例
   10. 音響材料の開発への利用

第8章 機械要素の静音設計と騒音対策   
 第1節 小型ファンの騒音  
   1. ファン近傍の流路形状の影響
   2. スロットコンビネーション
 第2節 プラスチック歯車の騒音  
   1. プラスチック歯車概説
   2. 射出成形プラスチック歯車の騒音発生原因
   3. 歯車精度と騒音
   4. 歯車材質と騒音
   5. 平歯車の形状と騒音および歯車の種類と騒音
   6. 周波数分析によるプラスチック歯車の騒音特性
   7. 終りに
 第3節 空気圧機器  
   1. 空気圧機器の騒音について
   2. 空気圧機器からの排気騒音
   3. 機械騒音
   4. 空気圧機器の騒音対策
   5. 空気圧用消音器
   6. 機械騒音の対策
 第4節 ソレノイドバルブ  
 第5節 小型油圧ポンプ  
   1. 小型油圧ポンプの騒音発生経路
   2. 内部圧力変動の低減
   3. 吐出流量変動の低減
   4. その他の騒音要因

第9章 家庭用機器の静音設計と騒音対策   
 第1節 小型機器の静音設計および騒音対策の基本  
   1. 家電機器における静音設計の基本的な考え方
   2. 家電機器における流体音の事例
   3. CAEによる低騒音設計手法
   4. 騒音能動制御(ANC=Avtive Noise Control)
 第2節 電気掃除機の騒音低減  
   1. はじめに
   2. 電気掃除機の構成と騒音
   3. 騒音底辺への取組み
   4. まとめ
   5. おわりに
 第3節 洗濯機  
   1. 全自動洗濯機の構造
   2. 騒音発生源
   3. 騒音対策
 第4節 冷蔵庫  
   1. ファン音
   2. 冷媒流音
   3. 配管振動の解析
   4. コンプレッサ音の能動騒音制御
 第5節 ルームエアコン  
   1. ルームエアコンの構造と騒音発生要因
   2. 室内送風機の騒音低減
   3. 室外機送風機の騒音低減
   4. 圧縮機騒音の低減
   5. 振動伝達音の低減

第10章 コンピュータ, OA機器の静音設計と騒音対策   
 第1節 コンピュータシステムの静音設計  
   1. はじめに
   2. 筺体カバー静音設計の事例
   3. パワーレベルの測定と室内の音場予測
   4. パソコンのファン騒音
 第2節 フレキシブルディスク装置  
   1. はじめに
   2. 解析
   3. キャリッジの振動特性
   4. ステップモータの起動補償駆動による低騒音化
   5. おわりに
 第3節 プリンタの低騒音化設計  
   1. はじめに
   2. プリンタ騒音の分析
   3. 筺体の低騒音化設計手法
   4. 設計例
 第4節 複写機  
   1. 複写機の構造
   2. PPCの騒音源
   3. PPCの騒音特性
   4. 静音設計のための基本事項
   5. 静音設計事例
   6. 騒音低減対策事例
 第5節 OAルームの音響設計  
   1. はじめに
   2. OAルームの音響設計の考え方
   3. 音源の種類と特性
   4. 設計目標
   5. 設計法
   6. 事例

第11章 産業機器の静音設計と騒音対策   
 第1節 圧縮機  
   1. 圧縮機の概要
   2. 圧縮機の騒音
   3. 圧縮機の防音設計
   4. あとがき
 第2節 ポンプ  
   1. まえがき
   2. ポンプ騒音の現状
   3. ポンプ騒音の発生源
   4. ポンプ騒音の低減化
   5. ポンプ場の騒音対策
   6. まとめ
 第3節 油圧ポンプ装置  
   1. 油圧装置騒音の特徴
   2. 騒音エネルギの伝搬過程
   3. 騒音発生原因の制御
   4. 振動伝搬経路の制御
   5. しゃ音・吸音対策
 第4節 冷却塔  
   1. 冷却塔とは, およびその役割
   2. 冷却塔の種類
   3. 冷却塔の音源とその種類

第12章 燃焼機器の騒音設計と騒音対策   
 第1節 ガスタービン・エンジン  
   1. はじめに
   2. ガスタービン騒音対策上の分類
   3. ガスタービンの騒音レベル
   4. ガスタービン発電装置の騒音対策
   5. 航空機地上試運転用消音装置
   6. ジェットエンジン試運転用消音装置(テストセル)
   7. まとめ
 第2節 給湯機の騒音防止技術  
   1. はじめに
   2. 給湯機の騒音発生要因
   3. 燃焼騒音の防止技術
   4. 機械騒音の防止
   5. その他
   6. まとめ

第13章 固体伝播音発生機器の騒音設計と騒音対策   
 第1節 固定伝播における減衰特性  
   1. 加振力
   2. 固体中の波動と伝播特性
   3. 構造要素間の減衰
   4. 構造物の音響放射
 第2節 立体駐車場  
   1. 機械式立体駐車場騒音の特徴
   2. 騒音源
   3. 騒音対策
 第3節 エレベーター  
   1. はじめに
   2. エレベーター巻上機の構造
   3. 異常予知診断
   4. まとめ

第14章 プランとの騒音伝播   
   1. 騒音伝播の予測
   2. 距離減衰
   3. 超過減衰
   4. ノイズコンターの作成

第15章 アクティブノイズコントロール   
 第1節 アクティブノイズコントロール  
   1. 3つのスピーカとディレイ素子を用いた方法
   2. 2つのスピーカ2つのマイクロフォンとディレイ素子を用いた方法
   3. 2つの逆位相駆動スピーカとディレイ素子を用いた方法
   4. 2つのマイクロフォンと1つのスピーカを用いた方法
 第2節 アダプティブアクティブノイズコントロール  
 第3節 空間に対するアクティブノイズコントロール  
 第4節 ANC装置の実用化例  
   1. 空調ダクト用電子消音システム
   2. アクティブイヤープロテクタ
 第5節 アクティブ要素の耐環境性(その1)  
   1. スピーカ
   2. マイクロフォン
 第5節 アクティブ要素の耐環境性(その2)  
 第6節 可変容量形油圧ポンプのアクティブノイズコントロール  
   1. はじめに
   2. 油圧ポンプにおける加振力
   3. 加振力補償の原理
   4. 制御法
   5. 騒音の低減
   6. まとめ

第16章 音響, 振動による診断技術   
 第1節 アコースティック・エミッション(AE)による機器診断  
   1. はじめに
   2. AE法の原理と特徴
   3. AEの計測法
   4. プラント機器へのAEの適用
   5. AE試験の実施例
   6. おわりに
 第2節 流体機械の音による異常診断  
   1. 序論
   2. 送風機などの音による異常診断
   3. 流体機械の発生音
   4. 騒音による流体機械診断システムの実用化
   5. 異常診断の実例
   6. まとめと将来展望
 第3節 プラントの診断と保全技術  
 第4節 ニューラルネットワークを用いた音・振動による製品の良否判定  
   1. ニューラルネットワークについて
   2. 小型DCモータの回転音の検査
   3. ニューラルネットワークを用いた音による製品検査の手順
 第5節 小型精密機器の回転音による不良診断  
   1. 局部的損傷信号の特徴
   2. 検出器の選択と設定
   3. 診断装置の環境設定
   4. 診断装置の構造
   5. 損傷信号の信号処理
   6. 損傷箇所の解明と損傷程度の診断法
   7. 局部的損傷の有無識別法

第17章 サウンドアメニティと音質の評価   
   1. アメニティとは
   2. サウンドスケープとサウンドアメニティ
   3. 音の種類
   4. 音質の評価
   5. スペクトルバランス

第18章 騒音に関わるISO, JIS, 規制基準等   
   1. まえがき
   2. ISO異常
   3. JIS規格
   4. 騒音規制基準
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