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HLAC特徴を用いた学習型汎用認識 ~画像認識の基礎と応用~

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■体裁:B5判、178ページ
■発刊:2013/08
■ISBNコード:978-4886572691
■トリケップス

本書は、画像認識の基礎と応用、特にHLAC(高次局所自己相関)特徴を用いた学習型汎用認識方式とその応用を纏めたものである。
認識(一般に情報)システムの構成法においては、特に理論的なアプローチと数理的な手法が重要かつ有効である。その基礎となるのが、画像などの多変量データを解析するための手法である多変量解析手法であり、また確率統計的手法である。そして、それらの更に基礎となるが、線形代数である。この観点から、著者はこれまでパターン認識の理論、特に特徴抽出理論の研究を行なってきた。そして、その実践的な応用として、多変量解析手法の画像処理及び認識への応用、更にHLAC 特徴と多変量解析手法を組み合わせた学習型汎用認識方式を提案し、画像認識や動画像認識などへの多様な応用展開を行なってきた。
これらの研究成果を纏めて、併任先の東京大学機械情報工学科および同大学院知能機械情報学専攻において「パターン情報学」と「知能情報学」の講義を行なってきた。また、それらを1 日ないし2 日のチュートリアル形式に短縮して、トリケプスのセミナー講演等を行なってきた。本書は、それらの内容に加筆補充して本の形に纏めたものである。その意味で、本書は画像認識に関する種々の手法を広く紹介したいわゆる教科書ではない。基礎から応用まで、言わば根から幹、枝葉まで、著者のこれまでの研究を通しての思想を一本の木として筋を通し、特に画像認識の側面を概説したものである。これによって、読者は、画像認識の基本的な枠組や基礎、及び一般的で汎用的な手法を習得して、それぞれの応用課題に展開応用していただきたい。

【執筆者】
大津展之

≪略歴≫
1969年3月 東京大学工学部 計数工学科 数理コース卒業
1971年3月 同大学院 修士課程終了
1971年4月 通産省工業技術院 電子技術総合研究所 入所…パターン情報部数理基礎研究室
1981年11月 学位取得(東京大学工学博士)
1982年9月 カナダNRC招聘研究員~1983年11月
1985年4月 電子技術総合研究所 ソフトウェア部 数理情報研究室長
1990年4月 電子技術総合研究所 首席研究官兼任
1991年4月 電子技術総合研究所 知能情報部長
1992年4月 筑波大学連係大学院(電子・情報系) 教授併任(~2010年3月)
2001年4月 独立行政法人産業技術総合研究所 フェロー
2001年4月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授併任(~2007年3月)
2012年3月 独立行政法人産業技術総合研究所 定年退職
「名誉リサーチャー」授与
※1992年~2002年3月
経済産業省(通産省)RWC(実世界情報処理)計画(産官学連携次世代情報処理研究開発プロジェクト)の策定と推進

【目次】
第1章 序論:画像認識
   1.1 画像認識とは
   1.2 応用分野の概観(ニーズ)
   1.3 従来手法の概観(シーズ)

第I部 基礎編
 第2章 画像処理・画像認識の基礎
   2.1 一般的枠組
    2.1.1 表現方式
    2.1.2 処理方式
   2.2 具体的な基礎
    2.2.1 画像の表現
    2.2.2 前処理
    2.2.3 特徴抽出
   2.3 数理的な基礎

第3章 基礎としての多変量解析手法
   3.1 多変量データの種類
   3.2 基礎としての線形代数
   3.3 確率統計の初歩的な基礎
   3.4 各種手法
    3.4.1 主成分分析(PCA)
    3.4.2 因子分析(FA)
    3.4.3 重回帰分析(MRA)
    3.4.4 自己回帰分析(ARA)
    3.4.5 判別分析(DA)
    3.4.6 正準相関分析(CCA)
    3.4.7 数量化手法(I~IV類)

 第4章 基礎としてのパターン認識
   4.1 一般的枠組
   4.2 特徴抽出(幾何学的側面と統計的側面)
    4.2.1 不変特徴抽出(幾何学的側面)
    4.2.2 判別特徴抽出(統計的側面)
   4.3 不変特徴抽出の理論
    4.3.1 定式化
    4.3.2 不変線形特徴抽出
    4.3.3 絶対不変非線形特徴の構成
    4.3.4 変換の認識
   4.4 不変特徴抽出理論の応用例
    4.4.1 ボケ不変特徴の輪郭抽出への応用
    4.4.2 動き不変特徴による移動物体認識
    4.4.3 3D加速度センサ信号からの回転不変な動きの特徴抽出
   4.5 類別・識別・判別の統計的理論と手法
    4.5.1 情報圧縮手法(U&N)
    4.5.2 類別の理論と手法(U)
    4.5.3 識別の理論と手法(S)
    4.5.4 判別の理論と手法(S)

 第5章 高次局所自己相関を用いた学習型汎用認識方式
   5.1 画像の幾何学的特徴としての高次局所自己相関HLAC
    5.1.2 多重スケール
    5.1.2 多重解像度
   5.2 HLACの拡張としての立体高次局所自己相関CHLAC
   5.3 ノイズに対する頑健性
   5.4 統計的特徴抽出としての多変量解析
    5.4.1 通常からの逸脱としての異常検出
   5.5 本方式(ARGUS)の特長と汎用性
    5.5.1 多様な入力データ(パターン)
    5.5.2 従来方式との比較

第II部 応用編

 第6章 多変量解析手法の応用
   6.1 画像圧縮(SVD)
    6.1.1 定式化
    6.1.2 多変量解析的な意味づけ
    6.1.3 画像圧縮への応用
   6.2 自動閾値選定(DA)
    6.2.1 判別基準に基づく画像の2値化
    6.2.2 最小二乗基準
    6.2.3 同値性
    6.2.4 実験結果
    6.2.5 その他の解析
    6.2.6 最適閾値の性質
    6.2.7 多値化への拡張
    6.2.8 多値化の応用
    6.2.9 クラス数の推定
   6.3 直線の当てはめ(PCA)
    6.3.1 K-L Line Fitting
    6.3.2 直線度
   6.4 学習型画像処理(MRA)
    6.4.1 画像処理の学習
    6.4.2 画像修復(逆フィルタ)の学習
   6.5 形(輪郭)の認識(CARM)
    6.5.1 複素自己回帰モデル(CARM)
    6.5.2 相似変換不変な形の分類

第7章 HLAC特徴を用いた画像認識
   7.1 複数対象の同時認識と計数
    7.1.1 既知対象に基づく計数
    7.1.2 大小2種類の粒子の同時計数
    7.1.3 背景のある環境下での計数
   7.2 位相的特徴の認識と計数
   7.3 顔認識と表情認識
    7.3.1 顔認識
    7.3.2 表情認識
    7.3.3 照明変化に頑健な物体認識
   7.4 テクスチャ認識
   7.5 異常検出の応用:外観検査、癌細胞検出
    7.5.1 外観検査
    7.5.2 癌細胞検出
   7.6 移動体追跡
   7.7 距離画像からの物体認識

第8章 CHLAC特徴を用いた動画像認識
   8.1 ジェスチャ認識
   8.2 動作及び人の認識
    8.2.1 CHLAC特徴を用いた動作と人の認識
    8.2.2 Gait(歩容)認識
    8.2.3 PCクラスタを用いた高精度化
   8.3 異常検出の応用
    8.3.1 撮像監視(監視カメラ)への応用
    8.3.2 牛の発情検知への応用
    8.3.3 動画図の適応的圧縮
    8.3.4 外科手術撮像への応用
   8.4 複数移動物体の同時認識と計数
   8.5 スポーツ撮像解析
    8.5.1 特定動作の検出
    8.5.2 児童の体育評価への応用
   8.6 牛肉等級(BMS)の自動判定
   8.7 細胞動画像の認識


第9章 対応関係の学習と検索
   9.1 感性情報処理への応用
    9.1.1 絵画の印象検索
    9.1.2 家紋の印象検索
   9.2 画像検索とアノテーション
   9.3 インターモーダル学習
   9.4 類似対応部分の検出

第10章 時系列データ解析・認識への応用
   10.1 心電図からの異常検出
   10.2 ロボット多指ハンドの解析
   10.3 因果関係の解析

付録A 数学的基礎
   A.1 線形代数の基礎
   A.2 確率統計の基礎

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