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シリコン結晶欠陥の基礎物性とその評価法

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■体裁:A4版192ページ
■発刊:1997/05/28
■ISBNコード:4-947655-97-6

【執筆者】
上浦洋一

【序文】
"シリコン単結晶を基板としたULSIデバイスは,人工頭脳のハードウエアーの構築を究極の目標として微細化・高密度化の一途をたどり,従来は問題とならなかったような微細かつ微量の欠陥でもデバイスに決定的な影響を及ぼすようになりつつある。したがって,これからのデバイス・プロセスにおいては種々の結晶欠陥の性質を正しく理解しそれを原子スケールで制御することが不可欠になるであろう。さらに,未来のデバイスとして注目を集めている量子効果デバイスでは,動作に関与する電子の数が非常に少ないため,欠陥の影響が飛躍的に増大することが予想される。このレベルになると,もはや単に欠陥を無くするという発想よりも,むしろデバイスの設計や製作において欠陥を積極的に利用することがキー・テクノロジーになるものと思われる。このように,単に現在の量的な延長線上で,微細化,高密度化を進めるのではなく,質的に新しい展開を目指しながら,デバイスに高度の機能を付与してゆくことが,日本の半導体産業の空洞化を防ぎ新たな発展の方向を探る上で重要ではないだろうか。この意味で,結晶欠陥を正しくかつ深く理解することの重要性が今後ますます高まるものと思われる。

【目次】
第1章 結晶欠陥の基礎
1.結晶欠陥とは
2.種類
2.1 点状(0次元的)欠陥
2.2 線状(1次元的)欠陥
2.3 面状(2次元的)欠陥
2.4 体状(3次元的)欠陥
3.発生・導入
3.1 熱平衡濃度
3.2 非平衡的導入
4.移動・拡散
4.1 点欠陥
4.2 転位
5.反応
5.1 K3=0
5.2 K3≠0
6.電気的・光学的特性
6.1 禁止帯中のエネルギーレベル
6.2 局在振動
7.電子状態と欠陥の移動, 反応, 構造
7.1 移動
7.2 反応
7.3 構造
7.4 negative U
7.5 再結合促進効果

第2章 結晶欠陥の評価法
1.電気的評価法
1.1 電気抵抗
1.2 ホール効果
1.3 DLTS(Deep-Level Transient Spectrosc
opy)
1.4 ICTS(Isothermal Capacitance Transie
nt Spectroscopy)
1.5 光伝導
1.6 PTIS(Photo-Thermal Ionization Spect
roscopy)
2.光学的評価法
2.1 光吸収
2.2 ATR(Attenuated Total Reflectance)
2.3 PAS(Photo-Accoustic Spectroscopy)
2.4 PL(Photo Luminescence)
3.磁気的評価法
3.1 EPR(Electron Paramagnetic Resonanc
e)
3.2 ENDOR(Electron Nuclear Double Reson
ance)
3.3 ODMR(Optically Detected Magnetic Re
sonance)
3.4 EDMR(Electrically Detected Magnetic
 Resonance)
4.構造の評価法
4.1 透過型電子顕微鏡法(Transmission Electron Mic
roscopy, TEM)
4.2 X線トポグラフィー(X-ray Topograhy)
5.空間分布の評価法
5.1 二次元的分布(Lateral Distribution)
5.2 深さ方向分布(Depth Profile)
6.粒子プローブを用いた評価法
6.1 陽電子消滅(Positron Annihilation)
6.2 チャネリング(Channeling)
6.3 メスバウア分光(M嘖sbauer Spectroscopy)
6.4 摂動角相関(Perturbed Angular Correlatio
n, PAC)
6.5 mSR(Muon Spin Resonance, Muon Spin 
Rotation, Muon Spin Relaxation)

第3章 シリコンの結晶欠陥
1.放射線・粒子線照射により発生する欠陥
1.1 空孔型欠陥
1.2 格子間原子型欠陥
2.高温の熱処理で導入される欠陥
2.1 A. Seegerのグループ
2.2 S. T. Pantelidesのグループ
2.3 S. Mizuoのグループ
2.4 T. Abeのグループ
3.酸素析出に関係した欠陥
3.1 サーマルドナー(Thermal Donor, TD)
3.2 ニュー・サーマルドナー(New Thermal Donor, NTD)
3.3 ニュードナー(New Donor, ND)
3.4 酸素析出物(Oxygen Precipitates, OP)
4.酸化, 窒化, シリサイド化により発生する欠陥
4.1 酸化
4.2 窒化
4.3 シリサイド化
5.重金属不純物に関係した欠陥
5.1 3d遷移金属に関係した欠陥
5.2 貴金属に関係した欠陥
6.水素に関係した欠陥
6.1 孤立水素の電子状態, 格子位置, 安定性
6.2 浅い不純物のパシベーション
6.3 水素に関係した複合欠陥
6.4 水素関連複合欠陥の安定性
6.5 水素の低温拡散・運動

第4章 今後の課題
1.結晶欠陥の低減
1.1 プロセスのクリーン化・低温化
1.2 ゲッタリング(Gettering)
2.結晶欠陥の制御
3.結晶大口径化

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